6月22日日曜日、福島県会津坂下町の中央公民館に行ってきました。
平成20年度 10代の性いのち生きいきプロジェクト事業 「親支援・性と生のワークショップ」の講師として行きました。
福島県・福島県教育委員会・会津坂下町教育委員会の主催で、保護者、教職員、学校教育・社会教育関係者、家庭教育支援者、保健師、保健福祉関係者、一般の方々が対象です。
福島県教育委員会は、本年は県内7箇所でこれらの研修会が開催されています。当日は300名もの人々が集まってくださり、地域での関心の深さが感じられました。
福島県は10代の人工妊娠中絶が女子人口千人に対し、平成14年度20.5で全国47都道府県中3位、平成16年度17.7で2位でした。中絶が多いということは日本人の避妊方法で最も多く用いられるコンドームの使用率が低いことも予測され、性感染症も多いことが予測されます。
福島県の教育委員会はとても熱心に取り組んでくださり、教育としては小中高等学校へのいのちの教育(性教育)の強化、地域住民に対しては今回のようなワークショップの開催と取り組んでくださっています。
それらの効果もあり、平成18年度の結果では、10.5で9位に低下してきています。人工妊娠中絶はピーク時の半分に減ってきています。教育の効果で10代の人工妊娠中絶は下がりましたが、10代よりも20~39歳の中絶率が高い現状にありますので、更なる地域的な取り組みが重要になってきます。まだまだ力は抜けない状況です。
私が思う地域の取り組みは、大人が自分の地域を愛し、悪いところまでよく知り、地域として変えていこうとする取り組みが重要と思います。私が保健師として働き、活動してきた山形県は平成10年10代の人工妊娠中絶が3位でしたが、平成18年のデータでは6.6で41位にまで下がりました。
いのちの教育効果が大変大きかったのですが、その他にもPTA連合会の方々が協力してくださったり、青年会議所などの方々が地域を変えようと活動してくださったり、地域の住民の方々の力が大きかったのです。
久しぶりに山形に戻ると、若者の性の問題が改善してくるのと一緒に、町がきれいになったのが印象的にうつります。いのちの教育をしていくと、自分を守る力がうまれ、子どもたちの服装が変わります。
中高校生の服装の乱れで悩んでいる地域に講演に行く場合、
「渋谷駅を毎日使っているけど、着崩れした制服の着方をしている子達の近くに行くと、方言を話しながら歩く修学旅行生のことが多いんですよ。東京都の十代の人工妊娠中絶率が低い理由が服装にも表れているようです」 と話すと、てきめんに服装の乱れが改善していきます。
性問題の表れは、その地域の心の寂しさだったり、男女の心の不平等であったり、いろいろな背景が隠れています。
福島県はあったかい心の持ち主が多く、とてもやさしい素敵な地域です。悲しい思いをする人々が増えないように、そして減るように、対策のお手伝いをこれからも続けて行きたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。