2008年8月2日(土)、AIDS文化フォーラムin横浜で PNY〔ぴにぃ Peer Network Yamagata〕 として参加させていただき、PNYのブースでどのようなことをお伝えしてきたか、どんな課題が残ったか、何回かにわたってご紹介したいと思います。
(参加いただきました皆様、本当に有意義な時間をありがとうございました!)
PNY(ぴにぃ)(Peer Network Yamagata)というグループの簡単な紹介です。
PNY(ぴにぃ)は1999年にそれまでの活動から下記のような経過があり結成されました。
◆教師自体も性教育を学んだ経験が少なく、系統的・継続的に教育している学校は少ない。健康教育・実態調査から、「転校・進学すると教育を受けていない子どもたちから影響を受け教育効果が失われていく」、性教育実施上の課題として半数以上の中学校教師が、「適切な教材が不足している」「年齢や発達状況に即した指導内容が組み立てにくい」等と感じている現状がわかり、各発達段階に応じた系統的・継続的性教育のシステム化が必要性である。
◆教育者・PTA等と連携をとり、地域の知識・意識・行動改善の地域の底上げをめざす必要があると考え、1999年8月、「HIV/AIDSを担当する保健師の会」をAIDS文化フォーラムin横浜で全国組織として発足。
◆全国組織として話し合うためには、山形の現状を改善する必要があると考え、PTA・教育者・保健医療行政・NGO等様々な立場の人がPeer(対等、立場が同様)な関係を持ちながら、効果的な対策を図る必要があると考え、山形県を拠点にPNY(ぴにぃ)(Peer Network Yamagata)を発足。
これらの経過がありPNYは、山形県を中心に地域でのケアシステムづくりに取り掛かったのです。
現在のPNYの活動は、山形県に性教育が定着し効果が現れたこともあり、PNYの元教師で元PTA連合山形県母親委員長が講演活動として継続活動をしてくださり、私はPNYの名前も使いながら講演活動をする方向にシフトしています。
では、今年の「AIDS対策を考える保健師の会」はどんな感じだったかというと・・・
AIDS対策を考える保健師の会は、1999年8月、「HIV/AIDSを担当する保健師の会」をAIDS文化フォーラムin横浜で全国組織として発足したときの、いわばリメイク版です。
立ち上げ活動してみたものの、私の経験不足から大きなことは言えないと思い、山形に拠点を置いてPNYとして活動して来ましたが、10年近く継続的に活動して成果もそれなりに上がってきたことから、改めて昨年全国組織として再度立ち上げました。
これまで経験してきた保健師業務の中からAIDS対策を深めていくにはどのようなポイントがあるかなど、学校行政・地域住民などとの連携も踏まえPNYからお話させていただいた後に参加者の方々と一緒に意見を出し合い、今後のAIDS対策における保健師の役割について話し合いました。
PNYの話に対し、
◆現状に対する細心な指摘があり、視点が新鮮と思う。
◆データで結果を出すことは自分の力になっていく。
◆用意周到。長年の蓄積が着実に実を結んでいる。子供だけでなく性教育を受けていない親世代へのアプローチという視点は重要だと思った。
意見交換に対し、
◆養護教諭や他職種との連絡会の参考にしたい。
◆他の方と意見交換出来てよかった。
・・・等のご意見をいただきました。温かいお言葉に本当に感謝いたします。ありがとうございます。
参加者の中には、血液製剤でHIVに感染し、現在、講演やライターとして活動中の桜屋伝衛門くんも参加してくれました。毎年、AIDS文化フォーラムでお顔を見せてくれて、長年見守ってくれる温かさに感謝感謝!いつもありがとうね。
今回の会も含め、立ち上げ当初からの問題として、主人公のはずの保健師さんの参加が少ないことがいつも問題になります。業務の中でAIDS担当から外れてもライフワークとして活動していただける方法を提示しないと、継続してこの会にかかわっていっていただくには問題があるのかもしれません。AIDS対策の根本には、「性教育やいのちの教育」「自尊心の発達や地域の意識」がつながっていて、「胎児から高齢者までライフサイクルすべてや、新生児訪問から感染症・精神保健など様々なことにかかわっている保健師」の力が必要なことを、多くの保健師さんたちにお伝えできるようネーミングから要検討です。
お手伝いいただける保健師さんがいらっしゃったらご連絡いただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
PNYのメンバーは、どのような立場であっても対等な関係を保っています。
PNYのコンセプトでもある「自分を守ること」を学ぶ教育は、生きるための心の教育=性教育=いのちの教育です。